息子(ラグ男)は中学3年生。クラブチームでラグビーをしています。
試合中、ラグ男が相手選手と接触して頭を打ったことがありました。
プレーはそのまま続けていたけれど、タックルできずに簡単に抜かれてしまっていました。
「何やってんだ」と思いながら試合を見ていました。(笑)
でも後から聞くと、「起き上がれたけど、頭がクラクラしていたんだ」って。
あのとき私は、まったく気づいていなかった。
しかも、コーチではない私たちには、グラウンドでの判断はできません。
試合中に「交代させるか」「続けさせるか」を判断するのは、本人とコーチ・監督の役目。
母たちにできるのは、見守ることだけ。
だからこそ、せめて知識だけは持っておこうと思いました。
今回は、ラグビーをする子どもを持つ親として知っておきたい脳震盪の基本知識をまとめます。
脳震盪って、どんな状態?
脳震盪とは、頭に強い衝撃を受けることで脳が一時的に正常に機能しなくなった状態のことです。
骨折のように「折れる」のではなく、脳そのものへのダメージ。
外から見てわかりにくいのが、脳震盪の怖いところです。
「頭を打ったけどすぐ立ち上がった」「本人は大丈夫と言っている」——それだけでは判断できません。
こんな症状が出たら要注意
- 頭痛・頭が重い感じ
- ふらつき・バランスが取りにくい
- 目がぼんやりする・光がまぶしい
- 吐き気
- 話し方がいつもと違う・ぼんやりしている
- 打撃前後の記憶がない
大事なのは、症状がすぐ出るとは限らないということ。
接触直後は平気に見えても、数分後・数時間後に症状が出ることがあります。
頭を打った当日の夜は、こまめに様子を確認しながら見守ってください。
こんな症状が出たらすぐに救急車を
ラグビーを始めたとき、クラブチームから「脳振盪ハンドブック」という冊子をもらいました。
国立スポーツ科学センターが作成したもので、こんな症状が1つでも見られたら脳振盪より重い脳損傷の可能性があるとして、すぐに救急車を呼ぶよう書かれています。
- 首の痛み・首の圧痛
- 二重に見える
- 手足の脱力・しびれ・チクチク痛い
- 強い頭痛がどんどんひどくなる
- 発作やけいれん
- 意識消失・意識障害
- 嘔吐
- 落ち着きがなくなる(興奮状態・かんしゃく)
「頭を打ったくらいで救急車は大げさかな」と思いがちですが、こういった症状が出たときは迷わず呼んでいい。
むしろ呼ばないといけない状況です。

脳振盪についてさらに詳しく知りたい方は、国立スポーツ科学センターのサイトも参考にしてみてください。
「大丈夫」は信用しない
脳震盪を起こした本人は、自分の状態を正確に把握できないことがあります。
試合中のアドレナリンで、痛みを感じにくくなっていることも。
「大丈夫」という言葉だけを信じて続けさせるのは危険です。
グラウンドでの判断はコーチ・監督が行うもの。
でも親としてできることがあります。
「頭を打ったら、絶対に正直に言ってね」と、日頃から子どもに伝えておくこと。
「言ったら試合に出られなくなる」と思うと、子どもは症状を隠しがちです。
試合に出たい気持ちはわかる。でも隠すことが一番危ない、と伝え続けることが大切だと思っています。
チームに、過去に脳震盪を起こしたことのある子がいます。
その子を見ていて「気づかないまま続けさせることの怖さ」を実感しました。
ラグビーには脳震盪の「復帰ルール」がある

ラグビーには、World Rugbyが定めたHIA(Head Injury Assessment)というプロトコルがあります。
脳震盪が疑われた選手は、その場で即座に試合を離脱。
そして段階的復帰プログラム(6段階)をすべてクリアしないと、試合に戻れません。
最短でも2週間以上かかります。
日本ラグビー協会も同じルールを採用していて、ジュニア年代でも適用されます。
「大丈夫そうだからまあいいか」では済まないのが、ラグビーの脳震盪対応です。
これは選手を守るための大切なルール。
親としても、きちんと知っておく必要があると思っています。
脳震盪を繰り返すとどうなる?
一度脳震盪を起こすと、次の脳震盪が起きやすくなると言われています。
さらに、完全に回復しないうちに再び頭を打つと、セカンドインパクト症候群という重篤な状態になるリスクがあります。
命に関わることもある、非常に危険な状態です。
だからこそ、復帰を急がせないこと。
「早く戻りたい」という子どもの気持ちはわかります。
でも段階を守ることが、長くラグビーを続けるために必要なことです。
予防のためにできること
ラグビーは体のぶつかり合いが前提のスポーツです。
でも、リスクを下げることはできます。
どれだけ気をつけていても、頭への衝撃を完全になくすことはできません。
日頃からできることをコツコツ続けることが、いざというときの差になると思っています。
首を鍛える
首の筋肉が強いと、頭部への衝撃が分散されやすくなります。
具体的には、二人組になって互いに手で軽く抵抗をかけながら首を前後左右に押す運動などがあります。
ラグ男のチームでは準備運動で必ずやっています。地味に見えますが、続けると首がしっかりしてくるので、大切なトレーニングだと実感しています。
頭を打たない転び方を身につける
タックルされたときに頭を守る転び方(受け身)を練習することも予防になります。
ラグビーは転倒・接触が避けられないスポーツだからこそ、転び方を学ぶことが重要です。
ポイントは「あごを引く」「腕で地面を支えない」「背中から丸く落ちる」の3つ。
とっさのときに自然とできるよう、繰り返し練習することが大事です。
まとめ
脳震盪は、外から見えにくいケガです。
「大丈夫と言っている」「すぐ立ち上がった」——それだけでは判断できない。
そしてグラウンドでの判断は、親にはできません。
コーチや本人が判断するもの。母たちにできるのは、見守ることと、日頃から「症状が出たら正直に言って」と伝え続けることだと思っています。
だからこそ、知識を持っておくことが大切だと感じています。
ラグビーには脳震盪の復帰ルール(HIA)があります。
そのルールを守ることは、子どもを守ることでもあります。
ラグ男がふらついたあの日のことを思い出すと、今でもドキッとします。
あのとき私は、ただ「なんで抜かれてるの」と思いながら見ていた。
コーチも気づいていなかった。
試合後にラグ男から話を聞いて、はじめて「もしかして脳震盪だったのかも」と気づいた。
外からは、本当にわからないんです。
「あのとき何も知らなかった自分」に教えてあげたい内容を、この記事にまとめました。
知識があるだけで、いざというときの判断が変わります。
この記事が、ラグビーを頑張るお子さんを支えるご家庭の、少しでもお役に立てれば嬉しいです。


