〜ジュニアアスリート家庭の声かけを見直して 見えたヒント〜
※この記事ではラグビーを例に書いていますが、競技スポーツに取り組む他競技のご家庭にも共通する内容です。
競技スポーツに取り組む子どもを見ていると、
どうしても悩むのが「勉強との両立」ですよね。
うちのラグ男は、ラグビーのプロ選手になるという大きな目標を持って日々過ごしています。
平日は学校の部活、土日は練習、練習がない日でも自主練は欠かせません。
それだけじゃない。試合で遠征のときもあります。
学校以外のほとんどの時間を競技に費やし、疲れて帰ってくる。
それでも、
「勉強もちゃんとやってほしい」
そう思うのが親心だと思います。
最近、私が気づいたのは、
両立のカギは「気合い」でも「監視」でもなく、
家庭での関わり方を「命令・管理」から「仕組みづくりと助言」に変えることだということ。
「いつやるの?」と追い立てるほど、親子で疲れて悪循環。
逆に、予定を見える化して、本人が選べる形にすると、
少しずつでも“自分で考えて動く”が始まります。この記事では、
ラグビーに本気で取り組む中学生の息子(ラグ男)との実体験をもとに、
私がやめた声かけとやってみた仕組みづくり、
そして今のところ見えてきた小さな変化をまとめました。
やると信じて任せたのに、うまくいかなかった

前回の中間試験では、ラグ男が
「自分で時間を決めてやる」
そう言ったので、それを信じていました。
でも現実は──。
仕事から帰ってきて、
「今日は机に向かってるかな」と期待しながらリビングへ行くと、
ソファに寝転んでゲームや漫画。
……期待した私が甘かった(泣)
「いつやるの?」と聞くと、
「これが終わってからやる」
「もう夕飯ですけど???」
「え〜、今からやろうと思ってたのに」
そんなやり取りばかりでした。
塾に通っているので、強制的に勉強する時間が取れたおかげで、
テストはギリギリ平均点くらい。
でも、明らかに勉強不足。
前回は、「試験勉強がしたいから」という理由で、週末の練習を1日休んだんです。
それで、この状態です。
案の定、パパに怒られました。
私は、ラグビーは頭を使うスポーツだと思っています。
状況を見て、自分で判断しなければいけないし、
サインプレーだってシステムだって、たくさん覚えなくちゃいけない。
自分自身に語彙がなければ、みんなにうまく説明もできない。
仲間やコーチに言われたことを正しく理解するのも難しい。
そう考えると、
競技スポーツを続けるほど、勉強とスポーツは「別もの」じゃない。
勉強は、「スポーツをする上での大切な土台」なんだな と感じています。
放課後は部活もある。
土日の練習は休めない。
自主練もしないと取り残される。
だからこそ、
自分で計画して、勉強の時間をしぼり出すしかない。
でも現実は、
「ちゃんとやれ」
「もう終わり?」
「いつやるの?」
…そんな言葉ばかり。
ラグ男がテレビを少し見ているだけなのにイライラして、
完全に悪循環でした。たしかにラグ男は、古い言い方をするとKY。空気読めないヤツ(笑)
「今はゲームじゃないでしょ」というタイミングで
平気でゲームを始めたりもします。
このままじゃダメだと思った|管理と監視をやめた理由

自発的に勉強させたいのに、
私がやっていたのは
単なる管理と監視だったのかもしれない。
行動を逐一チェックして、怒っても 注意し続けても、
自分で考える力は育たない。
そう思って、
ラグ男への声かけと関わり方を見直すことにしました。
【実践】今回やめたこと|声かけを変えた理由

まず、私がやめたのはこの2つ。
- 「いつやるの?」の連発
- 「やりなさい」「早く寝なさい」などの命令
正直に言うと、
言わなくなったらサボるんじゃないか、という不安はありました。
これまで声をかけてきたのは、
「やらせたい」よりも
「失敗させたくない」気持ちのほうが大きかったから。
でも、気づいたんです。
言えば言うほど、私は“管理する側”になり、
ラグ男は“言われて動く側”になる。
その関係では、考えるのはいつも私で、
ラグ男は「指示待ち」。
もし私が何も言わなかったら、
結局何も始まらない。
それって、本当に両立できていると言えるのかな、と。
怒って動かす勉強は、テストが終わったら元に戻る。
一時的には回っても、「自分で考える力」は残らない。
ラグビーで考えてみると、
試合中に毎回
「次これやれ!」
「早く動け!」
と言われ続ける選手はいません。
判断するのは、選手自身。
それなのに私はずっと
ただ指示を出す側に立っていました。
それは、
ラグビーを通して身につけてほしい姿とも、
これから先に必要な力とも、少しズレている気がしました。
だから今回、
言葉で動かすのをやめることにしました。
【実践】今回やったこと|競技スポーツ家庭の両立の工夫

「言わない」「命令しない」と決めたものの、
放っておくだけでは何も変わらない。
そこで今回は、
口で動かす代わりに、考えやすい“形”を用意することにしました。
まず、カレンダーを渡して、
部活・塾・練習・遠征・自主トレ・試験日程など、
絶対に外せない予定をすべて書き出させました。
「忙しい」「時間がない」と言うけれど、
実際にどれくらい埋まっているのかを、
本人が目で見て把握するためです。
次に、そのカレンダーを見ながら、
勉強できそうな日をカラーペンで囲みました。
「ここならできそう」
「この日は厳しそう」
決めるのは、私ではなくラグ男。
そのうえで、試験の時間割を確認し、
どの教科を優先するかを一緒に整理しました。
そして、囲んだ日に
「何をやるか」を書き込む。
ここで一番大事にしたのは、
この通り完璧にやらなくてもいいということ。
目的は、
「計画を守ること」ではなく、
「この教科、全然やってなかった」をなくすこと。
あくまでも目安。
ズレても、やり直せばいい。
また、トレーニングは後回しになりがちなので、
「今日は自主トレやった?やる予定?」
という確認だけは続けました。
そしてパパにも、
できるだけ口うるさく言わず、
見守るスタンスでいてほしいとお願いしました。
少しずつ見えてきた変化

試験はまだ2週間後。
結果はこれからです。
でも、ラグ男には
小さな変化が見えています。
これまで自主トレは、
パパとジムに行って筋トレをしていました。
ただ、ジムに行くと
移動も含めて3時間くらいかかる。
そこでラグ男が自分で決めました。
「試験が終わるまで、ジムは行かない」
「その代わり、家でできる筋トレを一緒にやってほしい」
それを、パパに自分から直談判。
最初は
「え?自主トレやらないのはありえない」
と、パパも少し不機嫌でした。
でも、
「やらない」ではなく
「やり方を変える」ことだと分かり、
一緒に付き合ってくれていました。
懸垂をしたり、
パパをおんぶしてスクワットをしたり。
頼られたパパもなんだか嬉しそうでした。
さらに、
- 英単語帳(ターゲット)を買ってほしいと言ってきた
- 「ゲームの時間設定をゼロにセットしてほしい」と自分から言ってきた
「できると、やっちゃうからできないようにしておいてほしいんだ」
そう言って頼ってきたことが
私は少し嬉しかったです。
まとめ|両立は「ひとりで頑張る」ことじゃない

勉強と競技スポーツの両立は、
一気にうまくいくものじゃありません。
親には仕事もあって、家事もあって、
毎日余裕をもって見守れるわけでもない。
子どもにも学校があって、部活があって、練習や試合があって、
やることはたくさんある。
それでも、
「管理」より「仕組み」に変えたことで、
親も子も、少しラクになりました。
ラグビーは、
状況を見て、自分で判断するスポーツ。
同時に、チームワークが欠かせないスポーツです。
まずは自分で努力すること。
そして、自分ひとりで立ち行かなくなったとき、
素直にヘルプを出すこと。
自分の思いを、周囲に伝えること。
それも、競技スポーツを通して
身につけてほしい力だと思っています。
勉強も、スポーツも、
大切なのは
ひとりで抱え込まず、考えて続けていくこと。
親は監督じゃなく、
環境を整えるサポーター。
まだ途中ですが、この距離感を大切にしながら、
もう少し見守ってみようと思います。
試験結果は、また次お伝えします。
同じように悩んでいる方へ
もし、
「信じて任せたいのに、任せきれない」
「言わないとやらない気がして、つい口を出してしまう」
そんな葛藤を感じているなら、
それは、親として真剣だからこそだと思います。
競技スポーツに取り組む子どもを支える毎日は、
正解がなくて、迷うことばかり。
完璧な声かけも、
一度でうまくいく方法もありません。
でも、
「命令する」から
「考えられる形を用意する」に変えるだけで、
親も子も、少しラクになることがあります。
うまくいかない日があっても大丈夫。
また戻って、やり直せばいい。
これは、
そんな試行錯誤の途中にいる家庭の、ひとつの記録です。

